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スリッページとは?仕組み、スプレッドとの違い、発生する理由や対策

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スリッページとは

出典:マネックスFX

スリッページとは注文価格と約定価格(売買成立価格)の差のことをいいます。

米ドル/円のチャートを見て、100.000円で買い注文を入れたのに、約定価格が100.060円だったとしましょう。

この0.060円、6.0pipsの差が、スリッページです。

スリッページとスプレッドの違い

 スリッページスプレッド
発生確率発生しない場合があるトレードすると必ず発生
損益の有無プラスに働く場合がある絶対にマイナスになる

スプレッドは「売値と買値の差」で、トレードにおける取引手数料であり、トレード毎に必ずかかります。

反対にスリッページは「注文価格と約定価格の差」であり、相場次第で発生しない場合があるのが特徴です。

またスリッページは有利に働く場合もあり、スリッページで得をする可能性もあります。

ここが取引コストであるスプレッドと大きな違いです。

ただしスリッページもスプレッドも、トレード時の実質的なコストであることに違いはありません。

なぜスリッページが発生するのか

なぜスリッページが発生するのでしょうか?

発生する原因としては、

・流動性が低い
・FX会社のシステムの処理能力

上記2つがあります。

流動性が低い

原因の1つ目は流動性の低さです。

流動性が低いというのは、取引の参加者が少なくて、取引量が少なくなっている状態をいいます。

祝日クリスマス年末は市場参加者が少なくなり、流動性が低くなるので注意が必要です。

FX会社のシステムの処理能力

2つ目の原因はFX会社のトレードシステムの処理能力です。

米ドル/円でトレーダーが100.000円で買い注文したとしましょう。

注文後、FX会社のサーバーに注文指示が届くことで約定が完了するのですが、サーバーに情報が届き、約定するまで多少のタイムラグがあります。

このタイムラグによって、100.000円で注文したにも関わらず100.060円で約定され、6.0pipsのスリッページが発生してしまうのです。

通信が集中するとサーバーに大きな負荷がかかるため、通信遅延が発生し、スリッページが発生します。

重要な経済指標直後などは、通信が集中しスリッページが発生・拡大しやすくなるので注意しましょう。

スリッページの対処方法

システムや取引の構造上スリッページを100%発生させないということはほぼ不可能です。

そこで今回はスリッページの主な対処方法を2つ紹介します。

・システムが強くて約定力の高いFX会社を選ぶ
・スリッページの許容幅を設定する

これらを抑えておくとスリッページの発生をある程度抑えることができます。

システムが強くて約定力の高いFX会社を選ぶ

スリッページが発生する大きな原因はFX会社のシステム能力だと先ほど紹介しました。

しかしシステムの処理能力はFX会社でまちまちですし、しっかりしているかどうか判断はできませんよね。

そこで注目するのが、約定力です。

約定力とは注文した価格で約定できるかどうかということをいいます。

つまりスリッページが発生しにくいということは、約定力が高いということです。

これからFXをはじめられる方約定力が高い、システムの処理能力が高いFX会社を選び、スリッページを抑えるようにしましょう。

スリッページの許容幅を設定する

スリッページの許容幅を設定しておくことで、注文価格と約定価格の差を抑えることができます。

例えば100.000円で買い注文したとしましょう。

この時スリッページの許容幅の値を上下5pipsと設定しておくと、100.050円以上のレートだと約定することがなくなり、無駄な損失を無くせます。

ただし許容幅を極端に縮めてしまうと、約定できなくなりますので、状況やトレード手法に応じて数値を変えることが大切です。

トレード手法によるスリッページの許容幅

トレード手法スリッページの許容幅
スキャルピング(数秒~数分)0.3pips
デイトレード(数分~1日)5pips
スイングトレード(数日~数週間)5pips
長期トレード(数週間~1年以上)5pips

一般的に数秒・数分でトレードを完結させ、1日に何十回もトレードするスキャルピングの場合は0.3pipsを目安に設定するのが望ましいとされています。

スキャルピング以外のトレード手法の場合だと、5pipsを目安に設定しておけば、問題ありません。

ただし、価格を重視する方は許容幅を狭めていますし、約定重視の方は広めにとっており、手法や戦略によって様々なので自身にあった幅を見つけるようにしましょう。

MT4の自動売買(EA)のスリッページ

自動売買ソフト(EA)を利用してトレードしている場合でも、FX会社のシステムを利用している以上、通常の注文と同様にスリッページは発生します。

またトレーダーの目が届いてない以上、スリッページ幅が大きい場合はそれだけ損失も大きくなる場合があるのです。

こういった経緯からEAを使用していたとしても、スリッページの許容幅はしっかり設定しておく必要があります。

EAのスリッページの許容幅の設定

「ナビゲーター」の「エキスパートアドバイザ」内にあるEAを選択します。

EAのウィンドウ内にある「パラメーター」タブをクリックとすると、一覧内に「Slippage」という項目があり、これがスリッページの設定項目です。

ご利用されるEAによってパラメーター名が異なる場合がありますが、Slippageという項目から設定してください。

EAのパラメーターの場合は1=1pipsとなるので、0.3pipならば「0.3」と数値を打ち込めば設定完了となります。

まとめ-損益に直結するスリッページの幅に注意しよう

スリッページはシステムの処理のタイムラグで発生するため、スリッページが原因で発生する損失は無駄といえます。

値動きが激しい時は特に注意しなければなりません。

無駄な損失を防ぐためにも自身が納得するスリッページの許容幅を設定し、効率的にトレードを行うようにしましょう。