追証は、FX投資家としてはあまり直面したくない状況ですよね。
だからこそ、追証を求められてしまったらどうすればいいのかは知っておかなくてはいけません。
この記事では、追証の発生条件や、何のための制度なのか、踏み倒したらどうなるのかといった内容について解説していきます。
追証とは
FXで取引を行う際、証券会社に担保として証拠金を預けます。
投資家はこの証拠金を基に取引が行えるのです。
しかし、ポジション保有中に含み損の額が膨らみ、証拠金が足りなくなってしまうこともありますよね。
こうなった場合、証券会社から期限内に証拠金を追加で入金することが求められます。
これを追証といいます。
読み方は「おいしょう」です。
追証を求められている状態は、追加で入金をする、保有しているポジションを決済する、のいずれかによって脱することができます。
入金しなかったらどうなるのか
追証を求められたにも関わらず、それを踏み倒して入金をしなかった場合、期限を過ぎた時点で保有ポジションが強制決済されてしまいます。
取引に必要なだけの証拠金を維持できていないのですから、取引を続けることができなくなってしまうのです。
レバレッジ取引サービスを提供している証券会社からすれば、借金をしている人にお金を貸しているようなものなのです。
追証が発生するタイミング
追証は証拠金額が必要証拠金額を下回った場合、つまり、証拠金維持率が100%を切ったときに発生します。
証拠金維持率が100%以下というのは、担保としての証拠金が足りなくなったことを意味します。
「担保を保てない人は取引できません」ということで、強制決済に至ってしまうわけです。
自分が追証を求められる心配がないか知るためにも、ポジション保有中は常に証拠金維持率を気にしておきましょう。
何のための制度なのか
ロスカットと追証は、証券会社に強制決済されてしまうという点では共通しています。
では、なぜ追証という制度が設けられているのでしょうか。
その答えは、「制度が保護する対象」にあります。
ロスカットは、レートの変動によって含み損が膨らんでいき、証拠金維持率が各証券会社の定める基準値を下回った場合に発生します。
これは、相場の暴騰・暴落などから投資家の資産を守るためです。
一方、追証は担保としての証拠金が足りなくなった場合に発生します。
先ほど「証券会社からすれば借金をしている人にお金を貸しているようなもの」という表現を使いましたが、まさにこの通りで、9割が負けるといわれているFXに追証という制度が無ければ、取引の数だけ証券会社が損をしてしまうことになります。
つまり追証は、担保の不足によって生じる損益から証券会社を保護するための制度なのです。
追証を発生させないためには
追証を発生させないためには、証拠金維持率を上げる方法の他にありません。
証拠金維持率を上げる方法としては、主に以下の2つが挙げられます。
・保有ポジションの決済
1つは、現在保有しているポジションを決済することです。
ポジションを決済すると、証拠金維持率がいくらか上がります。
それによって証拠金維持率が100%以上となれば、追証から逃れることができます。
膨らんでしまった含み損を決済するのは、一度気持ちをリセットするという意味でも重要です。
・資金の追加投入
資金を追加で入金し、証拠金を増やしてやる方法です。
証拠金自体が増えるので、ポジションの決済よりも確実に証拠金維持率を上げることができます。
しかし、こちらはあまりお勧めしません。
理由は簡単で、追証間近な状況にある時点で負けトレードとなってしまっているからです。
エントリーした際、「追証目前まで耐える」と決めていましたか?
そのようなギリギリのトレードをする人はいないでしょう。
最優先にすべきは、設定したルールに準じた確実な資金管理です。
自身の資産を危険にさらしてまでトレードをする理由はありません。
追証目前まで損切りできなかった場合は、資金を追加投入するよりも、一度ポジションを決済してフラットな状態に戻してしまうのがメンタルヘルス的に見ても吉です。
まとめ
追証がどんなもので、何が怖いのか、理解していただけたでしょうか。
ここでは「入金よりも損切り」とお伝えしてきましたが、いざ追証目前となるとなかなか損切りできません。
「せっかくここまで耐えたから…」「すぐ元に戻るはず」といった思考に陥ってしまい、今の自身の状況を冷静に判断できなくなってしまうのです。
万が一追証を求められてしまい、損切りするにもできない心理状態になってしまったら、この記事でお伝えした内容を思い出してください。
証拠金が足りなくなってしまっては、トレードを続けることができません。
どんな状況も、証拠金が維持できなくなるよりマシです。
しっかりと資金管理を行って、追証とは無縁の安全・安心なトレーディングライフを目指しましょう。