経済指標とはなにか?
経済指標とは、各国の経済状況を数値化されたものをいいます。
「現在の国の状況はこんな感じです。」と数値として発表するものが、経済指標というわけです。
主に各国の公的機関や団体などから発表され、物価や雇用状況、金利、国内生産など様々な指標があります。
5種類の主な経済指標
今項目では特に重要な経済指標をまとめました。
経済指標の種類 | 該当する経済指標名 |
金利に関する指標 | 政策金利 |
景気に関する指標 | GDP、景況感調査、消費動向 |
雇用に関する指標 | 雇用統計 |
物価に関する指標 | 物価上昇率 |
貿易に関する指標 | 貿易赤字 |
それが上記5種類となります。
経済指標でなぜ価格変動が起きるのか?
経済指標ではまず「予想値」が発表され、その後「結果値」が発表されるのが基本です。
市場参加者は「予想値」をもとにして「今後こうなるであろう。」と相場の予想を行います。
これをファンダメンタル分析といいます。
大きな価格変動が起きるのは、予想値と結果値に大きな乖離がある時です。
結果値と予想値と大きな乖離があると、予想が裏切られる結果となりますので、市場参加者の多くが慌ててポジションを解消したり、逆ポジションでエントリーし直します。
これが大きな価格変動の原因です。
反対に大きな乖離がなければ、市場の予想通りとなるため大きな価格変動は起きません。
予想値と結果値については経済指標カレンダーでチェックするとよいでしょう。
経済指標はどこで確認できるのか?
経済指標のチェックで活用しておきたいのが、FX指標カレンダーです。
FX指標カレンダーとはその名の通り、どの時刻にどの経済指標が発表されるか、予想値、結果値などを一覧表示したものです。
以下の画像はみんかぶFXが提供している経済指標カレンダーをデスクトップで閲覧したものです。
トレード前には経済指標カレンダーは必ず目を通しておきましょう。
重要な経済指標
ここではチェックしておくべき重要な経済指標と、経済指標カレンダーにおいて押さえておくべき箇所について紹介します。
・各国の政策金利
・米国の経済指標で重要度が高いもの
上記2つの項目を必ずチェックしておき、経済指標の発表に備えることが大切です。
各国の政策金利
中央銀行(日本では日本銀行)が物価や通貨の安定のために、「金融緩和」、「金融引き締め」といった判断を下す経済政策の1つです。
インフレなどで景気が過熱する場合は「金融引き締め」、利上げをすることで抑制し、逆に景気が冷え込めば「金融緩和」で利下げを行って消費の活性化を目指します。
日本を例に挙げれば、利上げ=円高、利下げ=円安になるということです。
「政策金利」の調整は為替相場では大きな影響を与えることから、市場参加者の多くが注目しています。
特にアメリカのFOMCが非常に大きな影響を当たるので必ずチェックしましょう。
年間8回程度開催されます。
国 | 通貨 | 経済指標 | 発表時刻 |
日本 | 円 | 日銀政策金利 | 時刻未定(お昼前後になることが多い) |
米国 | 米ドル | FRB政策金利 | 午前3時(冬時間:午前4時) |
英国 | ポンド | 英中銀政策金利 | 午後8時(冬時間:午後9時) |
欧州 | ユーロ | ECB政策金利 | 午後8時45分(冬時間:午後9時45分) |
米国の経済指標で重要度が高いもの
FXトレードにおいて、米国の経済指標は大きな影響力があります。
FXトレードでもっとも取引量が多い通貨ペアは、ドル/円、ユーロ/ドルなどドル絡みのものが多いのが理由です。
また世界一の経済国でもある米国の景気動向は、世界の様々な国に波及すると言われており無視できません。
そのためFXトレード初心者の方でも、経済指標カレンダーで米国の経済指標で五段階とした時の重要度が★4つ以上のものは必ずチェックするようにしましょう。
その中でも絶対にチェックしておくべきなのが、「雇用統計」と呼ばれる経済指標です。
米国の雇用統計は今後の景気や金利動向にも関係するので、トレンドにも大きな影響を与える可能性が高く、世界の市場参加者が注目を集めています。
雇用統計は10項目以上もの指標の総称となっていますが、
・失業率
・非農業部門雇用者数
主に上記2種類の経済指標の注目度が高く、重要なので必ずチェックするようにしましょう。
発表時期は、毎月第1金曜日(第2金曜日)の午後10時半(サマータイム:午後9時半)となっています。
経済指標発表時に気を付けるべきこと
経済発表時には注意するべき点は下記の2つです。
・エントリーしない
・自動売買(EA)の稼働を止めておく
なぜ注意しなければならないのでしょうか。
経済発表前後はエントリーしない
経済発表時は価格が大きく変動する可能性があり、予想外の方向に大きく値動きすると大損してしまいます。
経済指標が発表される前はトレードを控えて、発表後にトレンドがどちらに行くか確認した上でエントリーを行うようにしましょう。
自動売買(EA)の稼働を止めておく
EAを稼働してエントリーしている方は経済指標の発表前後は稼働を止めておきましょう。
EAはチャート分析を主としたテクニカル分析が基本であり、経済状況や金利で分析をするファンダメンタル分析が含まれていないためです。
結果、経済指標発表時のように大きな価格変動が起こると、おかしなポイントでエントリーし、大損する可能性があります。
朝起きたら資金が消えたということがないように、経済指標発表時はEAの稼働は止めておくことをおすすめします。
まとめ-FXトレードに経済指標は欠かせない
経済指標は様々な種類があり、その内容も多岐に渡ります。
全てを網羅する必要はありませんが、自身がよくトレードする通貨ペアに関係する国の経済指標は必ずチェックするようにしましょう。
米ドル/円なら「日本と米国の経済指標」にアンテナを貼っておくということですね。
トレード前に経済指標をきちんと確認し、この時間はエントリーしないなど、戦略的なトレードを行っていきましょう。